中国の方のビザ申請事情。

 

 

日本の皆様。
年末、いかがお過ごしでしょうか。

 

昨日、中国からのお客様の対応をしておりました。
12/25〜12/30の日程で、東京→宮城→ 大阪というルートで日本旅行に来ていたご夫妻です。

 

よく日本へ来るお二人なのですが、 普段日本へ来る時に行くところは大阪か東京のどちらかのみ。

大阪であれば神戸や京都などの近場へ足を伸ばすことなどはありますが、滅多に他の地域へ行くことはないそうです。

 

 

なぜ今回は宮城へ寄ったのでしょうか?

それは中国人のビザの問題にあります。

 

 

 

中国人のビザ事情

まず、日本人が外国(特に観光地で人気の場所)へ行く際、観光などの短期滞在であればビザ申請が不要な国も多いので、「ビザ」というものが一体どういうものなのかあまりピンとこないかもしれません。

 

 

ビザとは何か

そもそもビザとは、その人が入国しても問題ないか、入国にふさわしいのかの事前身元審査であり、入国しても問題ないという証書のことです。

日本人が入国するのにビザ申請が必須な国はもちろんあります。
ロシアやブラジル、トルクメニスタンやタジキスタンなどの中近東一部、アフリカの一部の国などです。

 

また、もしビザが必要だっとしても

・ある一定の条件を満たせばビザが免除になる
・ビザ申請が必要でも、それにかかる費用負担が少ない
・ビザ申請が本当は必要でも実質日本人は免除OKの国もある

など、日本人の入国は規制が緩くなる国も多く、「ビザの申請が大変だ」と感じることはほとんどないと思います。

 

私はロシアへ行った際にビザを申請した経験がありますが、普段ビザ申請をした経験が全くなかったので、手続きがよくわからなかったことめちゃくちゃもたついたため、出国日当日にビザが出来上がった、という経験があります。笑
過去記事:ロシアのビザ取得の仕方

 

 

 

中国人が入国するとき

中国人の場合、どこの国へ行くにもビザが必要です。
しかも審査に通らない場合もざらで、家族でビザ申請をしても、親は審査通過出来たのに、子供だけ通らず、空港で子供だけ通関で止められた…という場合も普通にあります。

 

その場合子供はどうなるのか?

子供だけ帰宅です。
親は出国します。

冷たい!!と思われる方もいるかもしれません。
が、せっかくビザ申請に通過し、次にもう一度申請してもまた通過出来るかどうかわからない。
なら、引っかかったものは仕方がない!と思うしかないのです。

 

というよりか、この夫妻が以前子供を連れて日本にくるとなったときに実際に起こった話です。

夏休みを利用して、子供がユニバーサル・スタジオ・ジャパンにいきたいということで、家族三人で日本旅行を計画しました。
私もそれを聞いていたので、ハイヤーを手配したり空港で彼らを迎える準備をしていました。

 

飛行機の受付カウンターで座席の受付をし、手荷物のX線検査を終え、あとはイミグレーションをを通過・・・の時点で

 

 

子供のビザの番号が1つ間違っていることが判明。

 

 

そんなことあるの?!と思ってしまいますが、本当に起こった話です。
子供は出国できず、一人でお家に帰りましたとさ・・・・

もちろんユニバーサルスタジオジャパンはキャンセルです・・・

 

 

中国の方曰く、

「審査をする人のそのときの気分で落とされる場合も多い」

とのこと。
それが本当がどうか定かではありませんが、それぐらい中国の方はビザ申請で通過するのが難しいということです。

 

また、申請時に個人情報の提示が必要なだけではなく、在職証明や預金残高証明なども見せなければなりません。
以下こちらにも中国人ビザについて詳細が記載されています。
中国人の海外旅行は大変だ!

 

日本へのビザ緩和がされたと言っても、まだまだビザ申請は厳しく、たくさんの中国人が日本へ押し寄せてきているように見えますが、実は日本へ来たくても、ビザが取れず来ることが出来ていない中国の方はたくさんいます。

今回のビザ緩和で、団体旅行での来日であれば、比較的ビザも取りやすくなったので、それで日本に来る方が増えました。なので、たくさんの中国人団体が店に押し寄せ、爆買いをしている姿がやはり目立つのでしょう。

個人でビザを申請するとなると、どんな富裕層でもかなりハードルが上がります。

ですので、団体でも個人でもかなり煩雑なビザ申請という大変な手間をかけて、日本へ来ている方ばかりなのです。

 

 

 

話を戻します。

 

 

「なぜ今回は宮城へ寄ったのか?」

 

これは、「観光数次査証」というものの取得のため、というのが理由です。

団体旅行でビザが取りやすいのは、「添乗員がついて、案内する」からです。
この「観光数次査証」では添乗員を必要としない、個人旅行が可能になるものなのです。

詳しい情報はこちらのリンクにも書いてありますが、
観光数次査証について

正式な名称は、「沖縄・東北3県観光数次査証」です。

 

 

観光数次査証とは一体どんなビザなのか

要約すると

「十分な経済力を持つ中国人がこのビザを取得すれば、本人とその家族は3年間、自由に日本を行き来できる」

というものです。

 

しかし、十分な経済力というのは「富裕者」という意味にほぼ近い意味で使われています。

ただしその取得条件には
・最初の訪日の際、沖縄県・岩手県・宮城県・福島県のいずれかで1泊すること
・1回の滞在期間は30日以内
・家族の範囲は同居または生計を共にしている二親等以内の血族・姻族
・取扱指定を受けた旅行会社を通じて事前に滞在日程をアレンジする

というものがあります。

 

資金的なところでのハードルはめちゃくちゃ高いですが、そこをクリアできる中国人富裕者は増えてきており、そのビザを使って自由に個人旅行を楽しんでいるのです。

 

なかなか中国人に届かない地方のプロモーション

今回私がお迎えした夫妻はそのビザの更新のために、宮城へ寄ったのでした。

もともと、このビザは沖縄のみで発行されていました。
しかし最近東北3県が追加されました。
理由としては、東日本大震災の復興支援の一環として、その地方の財政を潤すために、外国人にそこでお金を落としてもらおうという意図があるからだそうです。

 

しかし、この夫妻の宮城へ言った感想は

「何もない…」

でした。

牛タンは知っているけど、それ以外に何があるのかはわからないと。

 

今、インバウンド誘致に一生懸命取り組む地方自治体は多く、外国人観光客へ向けたPRも積極的に行っているはずです。
私は宮城へ行ったことがないので、何とも言えないのですが、PRが中国の方にはあまり届いていないのかもしれません。

インバウンドは日本国内ではなく、中国国内での活動も非常に重要で、
日本に来る前に、日本の情報を調べている方へキャッチされるところへの情報提供が大事だということです。

 

 

夫妻は宮城から大阪へ移動し、無事に人間ドックを受けた後、神戸牛のディナーを堪能したようです。
また、私は彼らに大阪の人気観光スポットである「大阪ミナミ」と「大阪キタ」について質問してみました。

 

「大阪ミナミ」
→カニの看板で有名になり、そこから口コミで”心斎橋”という場所が知られていった。

「大阪キタ」
→ミナミに比べて存在を知らない中国人がほとんど

 

※大阪ミナミとは
大阪の難波や心斎橋エリアを指します。周辺は日本橋やアメリカ村、吉本新喜劇の劇場があります。
※大阪キタとは
まさに梅田エリアです。JRや阪急、阪神、地下鉄などが集結しています。リッツカールトンなどの高級ホテルや百貨店なども多いエリアです。

 

 

 

日本人からすれば、JR大阪駅や梅田駅があり、交通の利便性も良い大阪キタは割と有名な場所であると思いますが、外国の方からすると知名度は日本人と同じとはいかないようです。

 

何かのきっかけで口コミが広がらなければ、日本人にとってのポピュラーな場所も外国人にとっては何てことない場所。

それは視点が違うだけでなく、情報の取得場所や取得方法が違うことも理由だと思います。

 

中国人に直接プロモーションをかけるのであれば
以下のサービスメニューをぜひ参照してみてください。

サービスメニュー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です