インバウンド経済効果のリアルな数字(グルメ編)

インバウンド・ジャパン2016で収集した情報を簡単にまとめてみました。
ブログ:インバウンド・ジャパン2016に参加!

 

インバウンドは注目すべき業界


インバウンドという言葉は何度も耳にしたことはあると思いますが、なぜその市場に積極的に取り組むのでしょうか?
インバウンド・ジャパン2016という展示会でも、展示会としての規模はそこまで大きくなかったものの、来場者も出展者もアンテナを張り巡らし、意欲的な方が多かった印象があります。

外国人観光客は一期一会だけの存在なのでしょうか?
一度しか来ないのでしょうか?
それならなぜ大手企業や中小ベンチャー、個人商店まで、一生懸命に取り組む方が多いのでしょうか?

訪日外国人観光客が増えるメリットとしては、

・日本の人口減少の分の経済の穴埋めが出来るため
・外資によって日本の経済を潤すため
・オリンピックで日本が今注目されているため

などの理由が挙げられます。

特に日本の経済面では外国からのお金が日本で落とされていくということは
日本の経済へ”プラスα”されるものであり、
取り組み次第では今の既存顧客の売り上げに、プラスα分の売り上げが出来るのです。

特に今は、日本政府や様々な人たちの努力によって、日本という国に世界が魅力を感じ
「日本旅行へ行ってみよう!」と多くの外国人観光客が訪れるようになってきています。

街中でもたくさんの外国人を見かけるようになり、「外国人が増えたなあ」という感覚は
間違いなく日本に住んでいる多くの方が感じていますよね。

なぜ日本に魅力を感じているのか?


アニメや漫画のクールジャパン、世界遺産登録された和食、日本独自の四季、世界トップクラスのサービス・・・

日本人にとっては当たり前のモノが、実は世界から見ると物珍しかったり、素晴らしいものだったり
言ってしまえば日本という国は「ガラパゴス」と言われるくらい独特な国なんです。

そして、日本文化の根っこにある「細部までいきわたっている気遣い」は
日本人にとっては”普通”でも外国人にとっては新鮮そのもの。

特に日本料理、和食は世界の料理人に影響を与えているくらい、評価が高いのです。
世界の有名店から、日本食の料理人は引っ張りだこです。
今回は「グルメ」にフォーカスを当ててインバウンドの経済効果について書いてみます。

外国人の日本旅行においての最大の関心事は「食」!


日本観光庁調べによると訪日観光客の最大の関心事は日本食を食べることだそうです。

日本食への関心は非常に高く、「次回の訪日の楽しみなことランキング」では1位に”日本食を食べること”が選ばれていて、2位に”ショッピング”、3位が”温泉・観光”となっています。

世界遺産に認定された和食も、もちろんその対象なのですが、和食だけではなく、さまざまな日本独自の料理が対象となっています。

日本は高級なところだけではなく、どこで食べても美味しい!ということで、外国の方々から「グルメ大国」として認識されている部分もあります。

訪日客と日本人の外食消費の数字を比較してみる


インバウンドへの取り組みを提案させていただくときによく言われるのが、「日本人のお客さんを大事にしたいし、外国人なんて一回来て終わりだからあんまり・・・」という言葉です。

地元に住まない訪日客の方が、お金を落としてくれるイメージがあまりないのですね。
では数字でデータを見てみましょう。

2016年8月現在、訪日外国人観光客による旅行消費額の内、食事だけで3.5兆円の規模があります。

全体的な経済効果を日本人一人当たりの年間消費額と比較してみます。
(食事だけではなく、生活での消費行動にあたるものの金額です)

日本人の年間消費額・・・125万円
訪日客の年間消費額・・・17.6万円

となっており、年間消費額は7人の訪日客で日本人1人分と同等であることが分かります。

そして、日本人と訪日客が外食にかける金額にフォーカスして金額を見てみると、
日本人の外食にかける金額・・・6万円
訪日客の外食にかける金額・・・3.3万円
となっており、外食の面では2人の訪日客で日本人1人分の価値を持つことが分かります。

つまり、日本人と訪日客は消費の対象が違うだけで、食事に関してはあまり大差がないことが分かります。

訪日客と日本人客の性質の違い


まず、日本人客と訪日客の性質はまったく違いますが、これは文化やマナーが、ということでは決してなく、「日本に住んでいるか住んでいないか?」の違いです。

日本に住んでいる人がライフサイクルの中で、「じゃあご飯食べようか、何がいい?」という軽いノリで外食をしたとします。
もし仮にそのお店で、料理が口に合わなかったとか、トラブルが起きたとか、何か嫌なことがあったとしても

「はずれだったなー」

くらいで済む場合が多いです。

しかし、旅行で来る訪日客の場合は「食事は一大イベント」であり、旅行の楽しみの一つです。
つまり、お店選びでは絶対に失敗したくない。
そしていろいろなサイトや口コミ掲示板で調べ上げたお店に対して相当な期待値を持って来店されます。

もし仮にそのお店で何か嫌なことが起こってしまった場合、その楽しいはずの旅行が台無しになりかねない。
そう、お店に対するハードルの違いなんです。

特に日本文化に対して知識の乏しい訪日外国人観光客の場合、日本人であれば起こらないような行き違いや誤解によってトラブルが起きる可能性があります。

そして、言語が違うため生じた誤解を解こうにも解くことが出来ず、お互い嫌な思いをした上に、口コミ掲示板などに悪評を書かれてしまうのです。

対策しておけば訪日客は優良顧客になる!


ここまで読んでみて、過度な期待を持たれた上にトラブルが起こりやすいのなら、受け入れたくない・・・と思われたかもしれません。
しかし、そのハードルを越えた方が良い理由が3つあります。

その1.ハードルが高い分、リターンが高い

旅行前から時間をかけて探しに探して、そのお店はネットで調べたとおりなのかどうなのかドキドキしながらお店に向かいます。そしてその高い期待値に応えることが出来たら、とても感動し喜びます。これは日本人にはあまりない特徴でしょう。

その2.自分の親しい友達に宣伝してくれる

感動し、喜んだ訪日客は親しい友達にその感動をシェアしてくれ、ネットでは日本旅行に興味があるユーザーにそのお店の紹介をしてくれます。

本人がまたそのお店に来るまでにはかなり時間がかかるかもしれませんが、その人が提供した情報を見た人が来て、感動を周囲にシェアし、それがまた口コミで広がり、と知らず知らずのうちにお店の宣伝がされていくのです。

その3.ハードルは対策さえしておけば決して高くない

何も対策がなければ、ハードルは高いままなのですが、お店側が異文化の顧客に対して、日本と外国文化の違いを知っておけば、どんな勘違いが起こりやすいのかあらかじめ知っておくことが出来ますし、外国語が話せなくても、ツールを使えば簡単に接客出来ます。

さらに、外国人が喜ぶツボを押さえることが出来たら、日本旅行といえばここ!という存在にまでなれるのです。

日本人だとライバルとなるお店が多く、お気に入りのお店となるのは大変なのですが、
情報が限られている訪日観光客の場合だとまだまだライバルが少ないので定番の店になりやすいのです。
ライバルが未だ少ないこの市場だからこそ、2020年までにまだ時間はあるものの、様々な企業が早めに動きだしているのです。

※数字データはぐるなび代表総取締役 久保征一郎氏セミナーより引用しております。

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