中国人の医療事情④

前回の記事の続きです。

はい、中国人の医療事情シリーズ、まだまだ続いておりますよ〜

日本へ医療を受けに来る中国人がいる理由。

 

中国の医療事情について

その3:医者が信用出来ない

 

・・・

・・・

え?(O_O)

ってなりますよね。
中国の医療の闇とも言える部分です。

 

 

 

「医者にかかると何をされるかわからない」

これは中国でよく聞くフレーズです。(!)

 

 

まず病院では人が溢れかえっています。
どんなに辛い症状でも、どんなに深刻な状態でも、朝から晩まで順番待ちをしなければならないことも。

そうなると、こういう方が出てくるわけです。

 

 

 

「ちょっと余分にお金を払うから、こっちを先に診てくれませんか?」

 

日本でそんなことを言い出したら周りから非難轟々です。

「命は平等だ!」
「何考えてるんだ!」
「自分のことしか考えてない!」

とか。

 

よっぽどのことがない限り、病院側もそれを認めません。(例外はあるかも…σ^_^;)

 

 

 

中国でも本当はダメです。
大半の中国人はダメだと思っていますし、それを望んでいるわけではありません。

しかし、それを良しとする病院や医者が多いのです。
そしてその事実を大半の中国人はわかっていて、ダメな事だと知っているけど

その話を持ちかける人
それを受け入れている病院

の存在を知っています。
むしろ、それが前提という場合もあります。

 

 

 

また、圧倒的に数が足りていない上、医療体制も十分でない中で、毎日毎日沢山の患者を診ている医者もかなり疲弊しています。

日本では、病院の先生となると誰しもが「先生、先生」と言われるような
社会的にはちょっと地位が高い職だと思いますが、
中国ではそれはちょっと違うみたいです。

 

前回の記事でも書いた通り、中国国内の病院には階級が存在します。

最高階級の3級甲の病院で勤めている医者であれば、
日本と同じく「先生」として敬われます。

しかし、級の低い病院であれば、一般的な職種と扱いは変わらないのだそうです。
収入もそんなに高くはありません。

同じように医療について勉強してきても、就いた病院によって扱いにもかなりの差が生まれます。

 

 

毎日押し寄せる大勢の患者をひたすら診てもキリがなく、
倒れるまで働いてもその現場が最高位の病院でなければ扱いはそんなに良くならない。

報われない思いを抱えたまま、疲弊が積み重なっていく・・・

 

 

そしてふと、こう思うわけです。

 

 

 

 

 

「こいつの治療、めんどくさいな」

 

 

 

 

えええええええ

 

 

 

まさかと思うでしょう。

しかしそういう考えに至ってしまう環境が今の現実にある、と言えると思います。

 

 

では最高位の病院に就くことが出来たなら、そう考えることはなく、
きちんと患者に向き合って治療をしてくれるのでしょうか??

 

 

以前の記事でも紹介した通り、中国国内には人口に対する病院数・医療従事者数は圧倒的に足りていません。
それだけでも大混雑をするのに、3級甲の病院へ患者が集まり、さらに大混雑を起こします。

 

いくらでも患者はいる。
つまり、患者を選べるほどにある。

と、なるとやはり真剣に見ても適当に診ても、後からいくらでも患者は来ます。

 

 

 

 

実際にあった怖い話

中国天津で実際にあったこういう話があります。

 

とある男性が悪性腫瘍で手術が必要になり、
A病院へ入院し、切除手術を終え、無事に退院しました。

しかし相変わらずの体調不良が続いたため、B病院で診てもらうと、

まさかの悪性腫瘍手つかずの状態

という事態が発覚しました。
麻酔までかけて切開もしているのに、です。

お腹を開いて閉じただけの全く無意味な手術。

 

 

 

怖すぎるわ。

 

 

 

また、利益の為に過度な医薬品の投与を行い、患者を薬漬けにしてしまう医者もいます。

 

 

 

怖すぎるわ。

 

 

 

 

もちろん全ての医者が、というわけではありませんが、そういった話は決して少なくありません。
交通事故よりも医療損害事件の方が多いそうです。(それも約4倍!)

 

 

そのような医者に診られる羽目になることは避けたい。
当たり前ですね。

 

 

そうなるとやはり、
政府に公認された大病院に人が集まってしまうのは当たり前の流れ。

そしてまた人が溢れかえって、
先に診てもらうためにお金を多く払う提案をする人が現れる。

 

そしてそのような人が増えると、
その支払額も増えていくし、
それに医者が慣れてしまうと、
それが前提でないとまともに診てもらえなくなってしまう。

 

悪循環です。

 

 

まともに検査するならぶっちゃけいくらかかるのか?

 

では一体いくら払っているのか?
いくら医者に渡すとまともに診てもらえるのか?
例えば、人間ドックで検査するなら?

とある中国の方に聞いてみました。

 

 

「35万円くらいからかな。」

 

その金額は検査代などの実際にかかる費用とは別でしょうか?

 

「はい、お金渡すのでちゃんと診てくださいねという意味のお金ですので。
でもそれを支払ったからといって、本当に医者がちゃんと診てくれるかの確証はありません。
最低限35万円は積まないとまともに取り合ってもらえない、といった方が正しいです。」

とのことでした。

 

 

…そんな事情があるのなら、
そりゃあ信頼出来るところに行きたいと思いますよね…
(いち中国の方の意見なので他にも様々な意見はあるかと思いますが)

 

別途で35万円も支払い、それでも確実な検査結果が出るかも分からない。
確実性をあげるために更にお金を支払うけども、それも100%信頼出来るわけではない…。

それなら飛行機代や宿泊費、ビザ代などを支払っても、日本で信頼出来る検査結果を得たいわけです。
逆にそちらの方が安くつくのかもしれないですね。

以上、中国人の医療事情でした。

 

P.S.
中国のすべての医者がまともに診てくれないということではありません。
医療設備不足、医療従事者不足、階級の存在、多すぎる人口など、日本にはない様々な要因が重なって、日本にはない問題が発生しやすいのです。



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中国人の医療事情②

中国人の医療事情③

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