中国人の医療事情②

前回の記事の続きです。

なぜ中国人が日本へわざわざ医療を受けに来るのか?
それは中国ならではの事情があったのです。

 

中国国内の医療事情

その1:中国の人口に対して、病院が圧倒的に少ない

2015年の統計では、中国の人口は13億6782万人でした。
一人っ子政策の廃止も決まり、その政策にて生まれた無戸籍者に戸籍を与えることも決まったので、人口はまた増えることになります。

この人口に対して、病院や医療従事者の数はどれくらいなのか?
資料はこちら
(※JOMF様よりお借りしました)

病院(衛生院含む)数は7万ヶ所、
ベット数は日本より少なく、医師は比較的多いのですが、看護師が少ないそうです。

7万カ所ならそこそこ多いのでは?
と思いましたでしょうか。
日本は2014年の時点で
病院が8493カ所、一般診療所が100461カ所の計10万8954カ所なんです。
 

中国の病院少な!!
というわけで、中国の病院はいつ行っても人で溢れかえっています

朝一に行って、夕方まで待たされる…なんて当たり前。
しかも、日本の病院なら初めに受付をして、すべての処置や処方が終わってからまた受付で手続きをすれば良いのですが、中国の病院のシステムはこれまた変わっていて、

(仮に骨折をして、病院に行ったとします。)

まず病院に到着→受付で診療の申し込み
診療室で診察→その結果を持って受付へ行き、レントゲン室の申し込み
レントゲン室で撮影→その結果を持って受付へ再診の申し込み
再度診療室へ→レントゲンの結果を見た上で、治療
治療したあと→再度受付で処方箋の申し込み

…などと、何度も何度も受付と診療の部屋を往復することもあります。

もしさらに違う処置が必要(CTスキャンなど)であれば再度受付へ行って申し込みをする…といった感じで、まったく「運が良ければ早く終わる」なんて予感は微塵も感じさせません。笑

なぜこのように、面倒なことになっているかというと、中国の保険のシステムに原因があるらしいのですが、これまた社会保障のお話になりますのでここでは割愛しますね。



処方箋の受け取りに並ぶ人々。奥の方にも沢山人がいました。
ただでさえも人がごった返しているのに、さらに人が病院に集中してしまう理由はまだありました。

次回に続きます。



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中国人の医療事情③

中国人の医療事情④

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