中国の大手SNSアプリ、Wechatが本格的に日本でのWechatペイメントの本格参入を発表しました。
ソースはこちらから→中国モバイル決済日本で本格展開
中国のアプリ、Wechatとは

Wechatは中国ではウェイシン(微信)と呼ばれ、日本のLINEとFacebook機能が一体になったようなアプリです。
チャット機能やブログ機能、位置情報共有、電子マネー決済、ネットショップなど、様々な機能が付帯しています。
また、日本でもWechatは利用出来ます。
中国人と連絡を取るときは、相手が日本にいようが中国にいようが自然とWechatを通しての連絡になります。
(というよりも、Wechatアカウントを持っているというと、即ID交換をするはめになります。。)
ビジネス上でもメールよりWechatを通して連絡をしたり、資料を送ったりすることが多いです。
しかし日本語版Wechatと中国版微信とは少々仕様は違うようです。(ウォレット機能がないなど)
中国国内でしか使えない機能もあるため、日本版ではそれらは省略されているようですね。
ただ、今回のテンセントの日本本格参入をきっかけに、日本でのユーザーやサービスへの需要が高まり、より中国版のものへ近づいていく可能性はおおいにあります。
中国では「Wechatで生活の全てがまかなえる」と言われるほど、中国人の生活に浸透しているサービスです。
●飛行機や電車、映画のチケットの予約、購入
●グルメの口コミ投稿、クーポンの取得
●銀行への振り込みや、お金の送金・出金
●お年玉をWechatを利用している友人にあげる機能
●クレジットカードとの連携
●ネットショップ機能(ショッピングでも出店でもOK)
●旅行の予約、決済
●友人とのクーポンの共有や、優待券のプレゼント
●生活インフラ(水道や電気、ガスなど)の支払い
●投資信託や証券の購入
など、実に様々なサービスがあるのです。
これはWechatアプリに銀行口座が連結しており、Wechatを通してチケットを検索し、そのまま連結している銀行口座から引き落とされるためこのように様々な機能の展開が可能となっています。
また、中国人の方たちは友人とのお金の貸し借りをも、このWechatを使ってやりとりをします。
「この前借りた3000円、返すねー」
「Wechatで送金しといたよ!」
と、このような感じです。
筆者が上海に住んでいた2010年頃、まだ上海万博が始まる前くらい。
日本ではiPhoneが出回り始めた頃、中国はまだプリペイド式の携帯電話を利用する人の方が多くいました。
画面も白黒のものが多く、コンビニや道端でチャージ用カードを購入して使用していました。
(そして筆者もガラケーのような携帯電話で、道端の物売りのおばちゃんからカードを購入し、チャージしてもらっていました)
しかしその後、社会問題になるほど若者を中心にネットはすごいスピードで普及していったのです。
(中国語の授業で使われる教科書に「若者のチャット依存」というテーマの文章が入れられていたほどです^^;)
テンセントによるチャットサービス”QQ”

まずWechatの前に忘れてはいけない、中国人の必須アプリがあります。
テンセントは1999年からQQというインスタントメッセンジャーを開始しました。
そのあとにWechatを開発し、サービスを開始してからWechatは中国人になくてはならないツールとなったのですが、QQも今も多くの方に利用されており、アクティブユーザーは全世界で約10億人もいます。
QQの基本的な機能としては
●メッセンジャー機能 ●伝言機能 ●画像などの直接貼り付け ●音声チャット(Skypeのようなもの) ●ビデオチャット(Skypeのようなもの) ●グループチャット ●コミュニティ機能(LINEのタイムラインのようなもの) ●音楽ファイルの共有 ●ドキュメントの共有(Google Driveのようなもの) ●地図情報の共有(Google Mapよりも機能良し) ●近くのユーザー発見機能 |
が主な機能です。
ちなみにこれらの機能はWechatにもほとんどが引き継がれています。
では、なぜWechatがありながら、QQも利用されているのでしょうか?
その理由はPCで利用した時に、基本機能に加えかなり強力なサポート機能を持っているからです。
●クラウド経由でファイルを転送できるため、大量のファイルの送信などが可能 ●スマホとPCでファイルの同期が出来る ●画面キャプチャ転送(ビデオの転送も可能) ●操作側、受け手側のリモートコントロール機能あり。 |
など、このようにビジネス上でもかなり便利な機能が満載なんです。
会社の問い合わせ窓口にはほとんどQQが置かれており、名刺にもQQ番号が書かれていることも多く携帯電話と同等に重要なツールです。中国人のスマホやPCには必ず入っているアプリ、と言ってもいいでしょう。
スマホとアプリは現在の中国での生活に欠かせないツールに

上海万博が終わった2011年には画面がカラーのスマホも登場し、アプリや携帯ゲームなどもどんどん普及されていきました。
iPhoneやアンドロイドを持つ人も、ipodを持つ人も激増し、ネット社会はどんどん大きくなっていったのです。
元々便利なものが大好きな中国人ですから、さまざまなアプリが今もどんどん生み出されています。
最近では「Uber」という近辺を走っているタクシーを検索して呼び出すアプリも流行し、このアプリ無しでは街中を走るタクシーを拾うことも難しくなったほどです。
ですので今の中国人の生活を極端に表すと、
例えば出かける時、
Uberでタクシーを呼び寄せ、
Wechatペイメントなどの電子マネーでタクシー代を支払い、
大衆点評で取得したクーポンがある飲食店で飲食をし、
飲食代金も電子マネーで支払い、
アプリで購入した映画チケットで映画をみて、
百貨店で流行の服をチェックし、
Uberで呼び寄せたタクシーに乗って帰宅し、
スマホを使って今日見た服を参考にしつつネットショッピング。
と言っても過言ではありません。
スマートフォンと、多少の小銭さえあれば、ほとんどが済んでしまいます。
それほど今の中国ではネットが生活に密にからみついた存在になっているのです。
常に利用されている中国のSNS。情報収集も決済もアプリ一つ。
このアプリへ情報を投げることが、驚異的な数のアクティブユーザーへ影響を与えることになります。
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